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執筆者の写真TOYBOX

謎×メイドの優雅な放課後 男1 女1 30分



イラスト:もーたろ様 (転載禁止)



里香…あほの子。元気いっぱい。メイド部の下っ端、部長のことを実は尊敬しているけど常に振り回されている。

あほだけど常識人


恒二郎…メイド部の部長。学校に居る時は常にメイド服を着こんでいるやばい人。

里香が毎回持ち込んでくる学園内で起きた謎の事件に対して理路整然とした謎解きを披露する。




里香

「私の名前は霞 里香。私立夢咲学園高校一年生。自分で言うのもなんだけど、

けっこうかわいい。

今私は部室の前に居る。何部かって?メイド部だ。何それって?知らん。私が知りたい」


里香

「毎回部室に入るのは緊張する。いい意味での緊張ではない。

私はこのままでいいのだろうかという

葛藤からくる緊張だ・・・え?なんでそんな悩んでいるのに部に在籍し続けるのかって?

・・・まあ、なんというか、ぶちょーが面白いんだよ。っていうかぶちょーと私しかいない部活だけど。

ぶちょーは変人だけど。ぶちょーは変態だけど。なんか、私の悩んでることをズバリと解決してくれるし。

そういえば今も私の脳を悩ます一つの謎があるんだった・・・今の言い方なんか探偵小説の主人公っぽくない?

ぽくない?ぬふふ・・・まあいいや。コンコンっとノックして・・・お疲れ様でーす」



恒二郎

「ししょおおおお!!認めませんぞ!!メイド服とはエロスを追及するものではなく、

優雅さの中に潜む女らしさを追い求めるもの!

そんなミニスカガーターベルトの破廉恥な恰好!

メイドとは認めませぬ!メイ道に背きますぞ!

いやまあ確かに、裏千家メイ道においては、

性的なコスチュームのメイド服も積極的に取り入れてはいますが、

思春期の少年少女の目にそのパンツはあまりにも扇情的!ああ!見てません!

見てませんぞおおおお!私は師匠のそのあどけない幼さの残る顔に妙に似合う

その黒パンティーなど、

見てはおりませぬうううううううう!いや、少しは見ましたけども!見ましたけども!

でもそれは魔が差しただけなんです!ちょっと一昨日の三年生だけ行われる

あの嫌な感じの進路とかそういうアレについての教師との面談で心身疲弊していた

結果なんですううううううう!」



里香

「・・・一応説明しておこう。今叫んでいるのはメイド部部長二階堂恒二郎、

この学校の三年生。

そして、ししょーってのは、最近人気のメイドアニメの主人公のフィギュア。

着せ替え可能。

いつも私が着せ替えてる。なんでかって?

ぶちょーが年端もいかぬ少女の服を脱がせるなんて出来ぬとかっていうから、代わりに。

つまり今、二階堂恒二郎はアニメのフィギュアに向かって一人で会話していたってわけ。

というわけで、こういう時はかかわらないのが一番・・・お疲れ様でしたー」


恒二郎

「ばかたれえええええええ!」



里香

「痛!は!?私今叩かれた!?」


恒二郎

「メイド部の挨拶は・・・いらっしゃいませご主人様だろおおおおおおがああああああああああああああ」



里香

「えええ・・・それは入部当初に習いましたけど、でも、私が外から部室に来たのに

『いらっしゃいませ』はおかしいと思うんですけど」



恒二郎

「しゃらくせええええええええ!」



里香

「にゃああああああっ!って、何するんですか!」



恒二郎

「意味などない!『いらっしゃいませご主人様』

・・・この言葉そのものがメイドさんを表現するための

由緒ある伝統そのもの!アイデンティティーの根幹だろうが!」



里香

「はっ!?すみませんでしたあああああああ」



恒二郎

「師匠、この不躾者の始末いかがいたしましょう?

・・・ええ!?そ、そこまでするとは・・・流石師匠情け容赦がない・・・」


里香

「何されるの私・・・」


恒二郎

「判決を言い渡す・・・被告人を村八分に処す」


里香

「ぶちょおー、ここは村じゃなくて部室ですよお?」


恒二郎

「そう、ここはメイド部の部室。村八分は出来ない。よって」


恒二郎

「お前を八分割する」


里香

「・・・」


恒二郎

「つまりリッカ八分!」


里香「え!?分割されちゃうの!?」


恒二郎

「物理的な分割だ。首、右腕、左腕、胸、腹、右足、左足、

そしてそれらをまとめて縦に両断!」


里香

「八分割じゃない!もっと沢山斬られている!

そ、それに、そ、そんなの優雅じゃありませんわよ!」


恒二郎

「シャラップ!フランス語で言えばジュテーム!メイドとは、

へらへらして媚を売っていればいいというものではない!!

『いらっしゃいませー☆ごしゅじんたま(はあと)』とか言って

媚と色気を振りまいていればいいと

思ったら大間違いだ!メイドは主のために全力を尽くす。

主が堕落しているときには、心を鬼にして道を正さねばならないのだ

・・・それこそがメイ道!」


里香

「こわ!メイドこわ!」


恒二郎

「メイドとは、冥途とも書く・・・あの、ワ冠に日って書いてその下に

六って書く字に一途のズって字のアレね。

つまり!地獄への道先案内人でもあるんだよ!」


里香

「な、なんだってー!」


恒二郎

「・・・」


里香

「・・・」


里香

「もう茶番は終わりましたか?」


恒二郎

「うん、気が済んだ」


里香

「それじゃあ私のターンですね!私部長に相談したいことがあるんです!

ついこの間の話なんですけどね。

私の同級生が野球部なんですけど、その子から聞いた話です。

最近雨が多いじゃないですか。

ほんと湿気で髪がくるくるして大変。髪の毛がくるくるしないようにする

いい方法ってないんですかねえ?」


恒二郎

「それが君の相談したいことだったら私は君を殺す」


里香

「うぇえ!?違います!ええと、昨日の話なんですけどね、

連日土砂降りでしたが、その日は小雨程度にまでは落ち着いたわけです。

野球部はここぞとばかりにグラウンドで練習するための準備を始めたんです」


恒二郎

「短絡的で野蛮だな・・・もしも転んでパンツにシミができたらどうするんだ」


里香

「・・・別に男ならいいんじゃないですか?」


恒二郎

「私も男だが、絶対に嫌だ」


里香

「まあ部長は特殊というか・・・今だって下着まで女性モノを付けているわけですし」


恒二郎

「似合うだろう」スカート捲り


里香

「は?え?うそ・・・足細・・・あれこれ私よりセクシーなんじゃ・・・」


恒二郎

「ふふふ・・・ははは・・・なーっはっはっは!!!」


里香

「勝ち誇られた・・・私・・・男に足のセクシーさで負けた上に勝ち誇られた・・・」


恒二郎

「まあなんだ、頑張れ」


里香

「うっわ!なんですかその声色!

うわべだけの優しさが滲み出て内心の見下し感が拡散してますよ!」


恒二郎

「いいから話を続けろ大根足」


里香

「ぐぬぬ、今に見ていろよ・・・」


里香

「それで、その日まず部室を訪れたのはいつも通り、キャプテンだったそうです。

部室の鍵は教務室で一括管理しています。メイド部もそうですよね。

で、キャプテンが教務室から鍵を借りていったそうです。

きちんと指定の帳簿に名前を書いて。

あ、ちなみにこのキャプテンはその日は本格的な練習には参加していないようです、なんか手をケガしたとかなんとか」


恒二郎

「続けて」


里香

「キャプテンは部室の鍵を開けました。

この学校では部活が終わるまで部室の鍵は部内で管理することになっています。

ぶちょーも今持ってますよね?キャプテンも同じく、鍵は自分でポケットに入れて

管理していたんです。

部室で部員が着替えて、道具をグランドに運びだすのを見届けた後、

キャプテンは一番最後に部室を出たそうです。」


恒二郎

「キャプテンは、一番最初に来て、出ていったのも一番最後、か」


里香

「練習が終わり、部員たちが部室に戻ったところで事件は起ました。

・・・部室のドアが開かないんですよ」


恒二郎

「・・・何が不思議なんだ?」


里香

「さっきもいったように、部室の鍵はキャプテンが持っていました。

そしてキャプテンは鍵を開けた後、すぐに鍵を自分のポケットにしまいました。

つまり、部室のドアは開けっ放しだったわけです」


恒二郎

「不用心だな」


里香

「キャプテンは開けっ放しのドアに鍵がかかっていると知ると、

『もしかしたら中に不審者が侵入し立て籠っているのかもしれない!ドアを破ろう!』

と言ったんです。

まあさっき言ったように部長は手をケガしているから、実際に破ったのは後輩たちらしいですけど」


恒二郎

「・・・鍵持ってるなら鍵を開ければいいじゃないか。

というか、その乱暴な提案に反対する者はいなかったのか?

まずはドアをノックして中に人がいるかどうかの確認をするなりなんなり、

やることがあるような気がするが。

というか、運動部の部室なんて外にあるあの古臭い木造の建物だろう?

好き好んでそんなところに忍び込む輩がいるとも思えんが。

汗が木目にしみこんでカビとかキノコとかが生えてるんじゃないだろうか

・・・ああ気持ち悪い」


里香

「・・・まあ気が動転していたんでしょう。

あと、最近は感情の起伏が激しかったりすることもあって、

部員も気を使っていたようですよ?」


恒二郎

「むさくるしい男のヒステリーか、反吐が出るな」


里香

「それは私も同意です。で、ドアを破りました。

するとそこには・・・誰もいなかったんです」


恒二郎

「部室には窓もあるだろう。そこから出ていったんじゃないか?何者かが居たらの話だが」


里香

「窓の鍵は内側からしっかりとかけられていたようです。

つまり、この部室の出入り口は全て鍵がかかっていたんです!密室ですよ!密室!」


恒二郎

「で?」


里香

「いったい誰が野球部部室に忍び込んで、そして消えたのか!鍵をかけた方法は!

そもそも何故野球部室に忍び込んだのか!

・・・この謎、ぶちょーには解けますか!」


恒二郎

「・・・はあ」


恒二郎

「君は、実にバカだな」


里香

「うええ!?バカじゃないです里香ですよ!」


恒二郎

「さて・・・こちらへどうぞ」


里香

「ハッ!?ぶちょーがメイドモードになって、

私のためにうやうやしく椅子を引いてそこに腰かけることを促している上に

既にお紅茶の準備までされている!」


恒二郎

「今から、私があなたの抱えるナゾを解いてごらんにいれます」


里香

「これが、私がこの部活をやめない理由かもしれない。

謎解きモードになった時のぶちょーの姿。これが見たくて、

私はナゾをかき集めているのだから」 モノローグ調



恒二郎

「まず初めに疑問を一つ。野球部の部室の鍵は本当にかかっていたのでしょうか?」


里香

「え?だって、練習開始前にキャプテンが鍵を開けて、

それなのに練習後部室に戻った時にはなぜかドアが開かなかったんですよ?

誰かが鍵をかけたって思うのは自然じゃないですか」



恒二郎

「もっと素直に考えてみてください。この学校の各部室の鍵は通常一つしかありません。

スペアキーはたしかに存在しますが、

それは格納されており普段用いられることはない。そしてその一つしかない鍵を使って、

野球部部室のドアを、キャプテンが開けた。

その後、鍵はキャプテンがポケットに入れていた。ということは、可能性は二つです。

練習中、キャプテンがこっそり部室に戻ってきて鍵をかけた。


もしくは、鍵は、開いたままだった」



里香

「えーと・・・一つ目はまだわかります。なんでそんなことするのかはわかりませんけど。

でも、二つ目の鍵は開いていたっていうのは矛盾しますよ!

だって実際ドアは開かなかったわけなんですから!」


恒二郎

「そこです。今あなたは、『ドアは開かなかった』と言いましたね?

それはおそらく事実です、そして、それが全てです」


里香

「どういう意味ですか?」


恒二郎

「そのドア、開かなかっただけで、鍵は開いていたのではないでしょうか?」


里香

「またまたそんな~。鍵が開いていたらドアは開くはずじゃあないですかー」


恒二郎

「順に話をしていきましょう。

まず、先ほど私が言った可能性の一つ目、キャプテンが練習中にこっそり戻ってきて、

鍵をかけた場合。これが事実ならばナゾでもなんでもありませんね。ですがその場合、

なぜキャプテンは部室のドアが開かなかった時に、自分が鍵をかけた、と名乗りでなかったのでしょう」


里香

「ですよねえ」


恒二郎

「彼はまじめな性格だと聞き及んでいます。

そんなウソをつくことは多分ないのではないでしょうか」


里香

「まあ、そんな事をする理由がわかりませんもんね」


恒二郎

「なので、そのパターンは少し忘れてください」


里香

「ということは、二つ目の、ドアは実は鍵がかかっていなかった?」


恒二郎

「私も君も、事件の当事者ではないし、現場を見たわけでもない。

これから私が話すのはあくまで想像です。

でも、あなたの疑問に一定の解答を提示することは、おそらくできます」


里香

「ごくり」


恒二郎

「まず注目するべきは、当日、一番最初に部室を訪れたのがキャプテン、

そして一番最後に鍵をかけて、出ていったのもキャプテンということです」


里香

「それが何か?」


恒二郎

「つまり、部室のドアの鍵を開けるところも、かけるところも、

部員の誰も見ていないということです」


里香

「おお、言われてみれば。でも、それがいったいなんだっていうんですか?」


恒二郎

「キャプテンは手をケガした、と言いましたね?いつからですか?」



里香

「詳しくはわかりませんけど、一昨日は普通に練習していたそうなので、

一昨日の練習後じゃないでしょうか」


恒二郎

「部活動中のケガなら自然ですが、部活後のケガ。キャプテンは三年生ですし、

受験の勉強やらも大変でしょう。

そんな中で、部活が出来ないほどの手のケガをいつ負ったのでしょうか」


里香

「さあ・・・」


恒二郎

「キャプテンは、昨日だけでなく、常に部室には一番に来て、

出ていくのも最後なんでしょうか?」


里香

「そう聞いています。特に帰りは、部員全員が帰った後で部室の点検をしてから、

戸締りをして帰っているようです」


恒二郎

「なるほど・・・。時にここ数日、三年生を対象とした進路指導面談が

あったのを知っていますか?」


里香

「知ってますよ。さっきぶちょーがなんか喚いていたじゃないですか。

ぎゃー、とか、ぴゃーとか」


恒二郎

「お静かに。文武両道の優等生ともなれば、教師や親からの期待、

プレッシャーも相当なものがあるでしょう。

しかし、いくら優等生といえども人間。出来ることと出来ないこと、

やりたいこととやりたくないことがあります。

最近彼は感情の起伏が激しかったといいましたが、

おそらく原因はそれらに起因するものでしょう」


里香

「なるほど・・・」


恒二郎

「部活終了後、いつものように部室の点検をしていた彼はふと、

面談で教師に言われたこと、

親から言われていること、そういったものが原因で、

大好きだった野球も最近は楽しくないことなど、

色々な負の感情が湧き上がってくるのを感じた。

なんで自分だけこんな目に合うんだ、冗談じゃない、

高まった彼の気持ちは抑えることが出来ず部室のドアを殴り飛ばすという暴挙に出る」


里香

「ええええええ!?そうなんですか!?え!?でもいつそんなことを?」


恒二郎

「一昨日の部活道終了後ではないでしょうか。

結果、手をケガした彼は昨日の本格的な練習には参加していない、と」


里香

「な、なるほど・・・でもでも!それが例え事実だったとしても、

部室のドアが開かなかった理由にはならないじゃないですか!」


恒二郎

「部室のドアを殴り壊してしまった彼は焦った。

どうしよう、こんなことがばれたら駄目だ、自分は優等生なんだから。

幸い、部室に一番に来るのも、最後に出ていくのもキャプテンだったので、

ドアが壊れていることをうまくごまかしながらやり過ごしていたんでしょう」


恒二郎

「次に、ドアが開かなかった理由について。注目すべきは雨が多かったこと。

それと、運動部の部室は外にあるということ、そして、木製ということです」


里香

「雨?」


恒二郎

「木造の建物のドアは、降り続いた雨の水分を吸って膨張した。故に開かなかった。

これが答えです」


里香

「・・・」


恒二郎

「いかがですか?最初に言った通り、これは全て私の想像にすぎません。

でも、筋は通っている想像だとは思いますが」


里香

「で、でもでも!なんでキャプテンはドアをぶち破らせたんですか!

そんなことする必要ないし、何より自分でドアを壊しちゃってすごく悩んでたんですよね?

そこへさらにドアを完全に破壊して罪を重ねるような真似・・・あ」


恒二郎

「気づきましたか?彼は先生にこう言えば自分のしたことをごまかせると考えたんですよ」


邦太郎

「部活が終わって部室に来たらドアが開かなかった。中に不審者がが居るかもしれないと思ったので、みんなで協力してドアを破った」


里香

「あー・・・」


恒二郎

「結果、ドアが壊れたという結果のみが残る。

どの箇所がいつ壊れたかなんてのは、詳しく調査でもしない限り、

分かることはありませんからね。さて、私の謎解きは、これで終了です。

真実かどうかは、ご自身の目で確かめてくださいませ」



※※※


里香

「ぶちょー!ぶちょおおおおおお!」


恒二郎

「挨拶は・・・」


恒二郎

「いらっしゃいませご主人様だろうがああああああああ!!」


里香

「ぎゃあああああああごめんなさいいいいいいいいい!!」


恒二郎

「まったく、そもそも貴様は優雅さとは何かということを

一から教えなおさないといけないような。

よし、本日より地獄の特訓を開始する。まずはメイド体操第一からやるぞ」


里香

「め、メイド体操・・・?そんなことよりですね!ニュースがあるんですよ!」


恒二郎

「そんなこと?私の特訓を中断してまで話す内容なのだろうな

・・・もしくだらないことだったら」


里香

「だったら?」


恒二郎

「お前を村八分にする」


里香

「またですかぁー?物理的な八分割は勘弁してくださいよう」


恒二郎

「八分割ではない。

村八分とは、『ムラのある八分』つまり強制的にお前の体温を約八分まで下げる」


里香

「八分まで!?え?三十六度八分とかじゃなくてただの八分!?何度なんですかそれ!?」


恒二郎

「寒いぞお、ドライアイスがいっぱい入った風呂に突き落とすぞお」


里香

「もはやそれは火傷しちゃいますよ!


って、そうじゃなくて、この間の野球部の事件あったじゃないですか」


恒二郎

「知らん」


里香

「うええ!?ぶちょーが解決したナゾですよお!」


恒二郎

「生憎、過去は振り返らん主義なんでな」


里香

「ぶうう・・・それでですね、昨日野球部の部長が退部届を出したそうです。

なんでも学業に専念するとかで」


恒二郎

「どのみち三年生で引退だろうに、無駄なことをするもんだ」


里香

「結局野球部室のドアのナゾの真相はなんなんでしょうねえ。

ぶちょーの推理は正しいと思いますが、確かめる術がありませんもんねえ」


恒二郎

「いいかリッカ」


里香

「里香ですけど、なんですか?」


恒二郎

「謎は、解き明かされないほうが、美しいものだ」

                      





台本:ティオンヌマン


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